過去の公演

 20031月上演作品(シアタートラム)。あれからもうずいぶん時間が過ぎてしまった。それでも、90年代の方法から遠ざかり、『トーキョー・ボディ』と同様、また異なることをした自負はある。スリットで覆われたべつの空間のパフォーマンスを生中継しスクリーンに映し出す。いや、それは「新しいことをする」といった意味ではなく(実際、海外に同様の方法の作品は多くあるが)、ただ愉楽としてそれをした。快楽としてデジタルカメラで遊んだ。過去の作品にいつまでもこだわっていてはしょうがないが、反省はいろいろある。そして、『トーキョー/不在/ハムレット』で試した方法をまた発展させ、あるいは、そこで考えたべつの方法や、いま、有効性を持った演劇として、書かかれるべきドラマをやはり模索しなければ、ひとつひとつの試みはただ、やりっぱなしで終わってしまう。また考える。さらに、本作では、共同演出としてニブロールの矢内原美邦に参加してもらった。矢内原から受けた刺激も大きい。さらに、『トーキョー/不在/ハムレット』では、「プレ公演方式」あるいは、最近よく使われる「ワークインプログレス」の連続上演、さらに映画製作の試みがあった。そうした方法の試みと、作ることの愉楽は『ニュータウン入口』であらためて試すことになる。けれど、『トーキョー・ボディ』と『トーキョー/不在/ハムレット』からはじまった遊園地再生事業団の新たな展開は、ゼロ年代の演劇だけではなく、「現在の身体のありか」を問い直すことで成立していたといまでは考える。

 

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