■ワークショップ二日目。「歩く」について。35人もいると、ちょっとした発表でも時間がかかってしょうがない。あと、自分がまさに教師のように振る舞っていると感じて気持ちが悪い。ワークショップをやりすぎではないか。あるいは大学。でも頼まれるとつい引き受けてしまうし、見知らぬ誰かと出会うことの面白さはどうしたってある。となると、「出会い系ワークショップ」か。なにかを喚起してくれるどこかの誰か。どこにいるだろう。そうそう会えるものではないが。
■夕方、外に出ると晴れていた。気持ちがいい。
■書くのを忘れていたが、東京に戻ってきたら一年生、二年生の最終レポートが研究室から宅急便で届いていたのだった。「表現方法自由」と告知したらほんとうに自由で、ビデオもあれば、よく理解できないフィギュアがあったり、クール宅急便で送られたものもあって開けてみれば食べることのできないケーキだった。なんだそれは。面白かったが。
■やらなければいけないことはまだ無数にあるよ。途方もない遠い道のり。ここからでは見えない前方に向かってする跳躍。とりあえず、せっせと小説を読み、そして書く。
(3:05 Aug.22 2001)
■東京は雨。というか全国的。台風は東京を直撃するのだろうか。
■午後から演劇ぶっくのワークショップ。参加者は35名。うち何人か欠席。大阪のYさんがいる。沖縄のMさんがいる。平均して年齢は高い。夏休みを利用した演ぶのワークショップをはじめてやったときは高校生が多かったが去年からほとんどいないのはなにか理由があるのだろうか。ワークショップにしろ、学校の授業にしろ、このところやることがほぼ同じなので、僕自身、飽きてきた。新しいことを考えようと思う。
■なぜか疲れた。帰りの電車は混んでいる。人が多い。四条烏丸から家まで歩くにはけっこう距離があるがさほど疲れない。豪徳寺の駅から家まで歩くのはなぜこんなに疲れるのだろう。
■終えて家に戻るとひどく眠い。引越し前の東京の家は段ボールが積み上がって混乱。なにか穴蔵の状況である。
(2:21 Aug.21 2001)
■東京に戻ってきたのだった。
■お盆休みはまだ明けていなかったのか、朝、新幹線に乗ろうとするとかなり席が埋まっている。京都駅に着いてから一時間後のひかりに乗る。計算が狂った。三時までに恵比寿に到着しなければならない。紀伊国屋書店が出しているPR誌で作家の保坂和志さんとの対談。恵比寿から明治通りを渋谷方向に少し歩いた位置にある紀伊国屋書店の本社ビルの八階。カメラマンの方がかつて、故・加藤芳一さんと同じ会社にいたというのでその話になって、加藤さんが亡くなられたときのことを思い出す。少ししんみりする。テンションがあがらなくなってしまった。
■気を取り直して対談。とても面白かった。保坂さんの『世界を肯定する哲学』を、対談があるというので二度読んだわけだが、いろいろ触発されいい仕事だった。なにかタイミングがいいという気がし、仕事とはそういうものだとつくづく思う。
■終わってから西武新宿線都立家政へ向かい鍼の治療を受ける。身体のメンテナンス。全身が鍼でほぐれてゆく。とろーんとした感じにまたなった。
■ようやく世田谷へ。引越し前のわが家は段ボール箱が積み上がりたいへんなことになっていた。
■二ヶ月半ぶりの東京。またべつの視線でながめてみようと思った。
(1:51 Aug.21 2001)