May.31

■昼間、月刊アスキーの編集者と新宿で会った。翔泳社のE君が編集した、『コンピュータはむずかしすぎて使えない!』の書評を書くからだ。アスキーの人は、新宿南口の改札付近で、あのでかい月刊アスキーを手にして立っていた。目印だからってことさら目立つように手にしている。声をかけるのをやめようかと思うほど、それは目立っていたのだった。
(23:55 May.31 2000)

May.30

■高田馬場の古本屋を廻ったのである。ものすごく歩いた。ほぼ早稲田界隈の古本屋は見たが、めぼしい本はあまりなかった。それでも十冊ぐらい買う。早稲田界隈に行こうと思ったのは演劇関係の本があると思ったからだが期待はずれだ。帰ってからニュースで真夏日だったと知る。疲れるわけだよ。
(3:07 May.31 2000)

May.29

■以前、「コンピュータで困ったことは、誰かがやっぱり困っている」ことを、『コンピュータで書くということ』で取り上げた。いろいろソフトを買っているとユーザー登録したかどうかわからなくなる。すぐに登録すればいいが忘れるのだ。で、登録したかどうか確認する方法を、たとえばMacroMediaのWebで調べようとしたら、「よく質問される項目」のなかに、まさにそれがあった。同じように困っている人がいるのだ。というか、人はついつい登録したかどうかさえ忘れるのである。夕方、経堂の古本屋をすべてまわる。何冊か買う。あとはただ本を読んでいた。
(4:56 May.30 2000)

May.28

■本を読んで一日が過ぎてゆく。Yahoo!のオークションでまた本を入札。二千円ではじまったのでそれで入札するとすぐに「高値更新」を報せるメールが来た。見れば、九千八百円に上がっている。この本、以前も入札したがやはり九千八百円になったのでやめたのだった。また出品されて同じことのくりかえし。おそらく出品者が最低落札価格を九千八百円に設定しているのだろう。売れないっての。そんなことをしていて、小説は進まなかった。
(0:55 May.29 2000)

May.27

■読書いろいろ。あいまにサッカーを見た。べつにセレッソ大阪のファンじゃないが、優勝させてあげたかった。小説はちょっとずつ進行する。
(2:11 May.28 2000)

May.26

■暑い一日。今年はじめて、エアコンをつけた。新潮社のNさんからメールをもらう。先日の三島賞に関して。選者の声、いろいろ。次作へのモチベーションが高まる。ほめられれば人はやる気になる。ばかである。
(2:04 May.27 2000)

May.25

■夕方、ようやく家を出る。経堂の古本屋で演劇書を一冊買う。ほかに新刊書を一冊。ある大学から授業をやらないかという話をいただいた。年に三日だけの集中講義。全国、いろいろなところに行けるならうれしい。小説に苦しむ。
(2:17 May.26 2000)

May.24

■小説を書いていた。苦しんで書いている。で、夜、朝日の連載の原稿をぎりぎり間に合わせた。考えてみたら一歩も外に出ていないのだった。そういうことはふと気がつく。しかし小説を書いているともっと読むべきことがあるのではないかと不安になって書けなくなるが、なにか本番前になってあたふたする役者やスポーツ選手のようだ。役者やスポーツ選手は締め切りがきちっとあり、はじまればいやでも走らざるをえない。小説は締め切りがないので困るよ。そうこうしているうちに十年が経ち、去年ようやく、『サーチエンジン・システムクラッシュ』が書けたのだった。
(2:46 May.25 2000)

May.23

■小説に関する作業の一日。資料など調べたり、考えをまとめたりするがまだだめだ。そうしているうち汗をかく。ニュースで知ったが二十八度くらいあったというじゃないか。このところ、「精神に少し問題のある人」からのメールがたびたび届き、「コンピュータで書くということ」を書いていた頃、異常な量のメールを全国の演劇関係者に送っていたあの人である。こんどのメールの文面がすごい。「アクセスしてもつながらないWebがあったら警察に連絡してください」ときた。で、前回、僕はその人のメールの、CC欄にあった異常な数のアドレスの人全員に、「迷惑メールが届いてませんか」と送信したのだが、なかに、「読者が意見を送りWeb上で公開されるコーナー」という沖縄タイムスのアドレスがまじっていた。驚いたことに僕のメールが紹介されている。少し考えて公開しろよ沖縄タイムスのやつ。
(2:07 May.23 2000)

May.22

■一日中、小説を書いている。Yahoo!のオークションで買った本が届いた。古い雑誌や廃刊になったサンリオ文庫が数冊。ていねいに保存してあったのかきれいだった。部屋が本でいっぱいになり置き場所に困っている。京都に住むようになったら演劇関係の本などみな向こうに運ぶしかない。夕方、衛星放送でやっていた東宝の駅前シリーズをつい見てしまった。映画史に残らないどうでもいい映画。刺激にはならない。面白いわけでもなく、作品として評価する対象にするのもばかばかしいが、なんだか楽しめるのは、三〇年以上過去の風俗と喜劇人の動きが興味深いからだ。
(1:39 May.23 2000)

May.21

■小説を書いている途中、不意に中央線の武蔵境から出ている西武多摩川線に乗りたいと思ったのだった。なぜかよくわからない。豪徳寺から世田谷線で下高井戸へ。京王線に乗って多磨霊園前で降り、北多磨駅まで歩いて多摩川線に乗った、って、この文章すごいな。「タマ」が何度出れば気がすむんだ。武蔵境に着いて武蔵小金井まで中央線で行く。古本屋を二軒のぞき本を大量に買う。一軒目の古本屋で買った数冊の大きな写真集が重いので送ってもらうことにしたが、それで追加でもう一冊、安い本を買おうとしたら、ただでいいと言われた。バスで府中に。府中の古本屋で詩集ばかり三冊買う。東府中まで歩いてようやく京王線と世田谷線を乗り継いで帰ってきた。つかれた。
(23:47 May.21 2000)

May.20

■一日中、雨が降っていた。家にいて小説を書く。文章の整合性はあとで考えることにして、とにかくだーっと書いた。それでも一日、せいぜい十枚。今月中にはめどをつけなくてはいけない。早稲田の人からFAXが届いていた。六月三日に講演会があり、演劇の関係で呼ばれたのだとばかり思っていたらそうではなかった。文芸専修の学生が相手だというから小説のことを話すのだろう。その準備もしなくてはいけないのだなあ。
(2:30 May.20 2000)

May.19

■渋谷に買い物に出かけ、時間があったので映画を見る。トーキング・ヘッズの『ストップ・メーキングセンス』の予告編をやっていて懐かしい気分になる。あれを見てからもう十年以上だ。ほかに、『ハピネス』の予告編があったが、この映画の試写状がなんども届いて、そんなに見て欲しいのだろうかと熱心さに頭の下がる思いがするものの、試写会がきらいなので行かないのだった。あの雰囲気がどうもだめなのである。
(11:33 May.19 2000)

May.18

■ものすごく歩いた。気がついたら新宿から小田急線の代々木八幡近くまで歩いていた。パークタワーホテルを通ってコンランショップに寄った。このあたりはとてもいい。新宿中央公園のホームレスたちの数はすごい。青いビニールシートで家のようなものを造り、それが集落になっている。公園で一休みしようと思ったが、のんびりするような雰囲気ではまるでなかった。
(5:07 May.19 2000)

May.17

■朝日の原稿を書く。散財がしたくなったので町に出ていろいろ買う。フランス演劇を研究しているYさんから論文を送ってもらった。これから読もうと思いつつ、小説のことばかり考えてしまう。
(4:17 May.17 2000)

May.16

■朝から冷静さを失っていたのは、三島賞の発表があるからだ。夕方、西麻布のイタリアレスランで、新潮社のNさんや、文芸春秋のOさんやM君と食事をしながら待ったのだった。筒井康隆さんと福田和也さんが推してくれた。惜敗である。いい小説をもっと書いてやろうという気持ちになる。うちに帰るタクシーのなかで胃が痛くなったのは、イタリア料理のせいではあるまい。
(0:02 May.17 2000)

May.15

■五、六冊の本を平行して読んでいる。つまり落ち着きがないのである。集中できない。翔泳社のE君からメール。きのう書いた、『スーパーハッカー入門』に関すること。しかし、読めば読むほど、「Vladimir」(これでウラジミールらしい)という謎の筆者が、ある人物に思えてくるのだが、はたして……。早稲田のO先生から留守電が入っていた。なにか頼みたいとのこと。また講義だろうか。O先生の家のロボット犬アイボは僕が名前を付けた。ボッコラ君という。
(1:36 May.15 2000)

May.14

■キーボードが異常によごれていた。たばこのヤニのせいでべとべとしている。洗剤で丹念によごれを落とす。こういうことはやりはじめると人はどうして熱中するのだろう。びっくりするほどきれいになった。小説を少しずつ進める。ところで、『スーパーハッカー入門』という本を少し読んだが、かみごたえのある文章に驚いた。著者名に、「Vladimir」とあるが、いったい誰なんだろう、この著者の正体は?
(0:47 May.15 2000)

May.13

■さらに、リチャード・パワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫』を読んでいた。小説を少し書く。小説に関してインターネットで調べものをする。時間が過ぎるのが早い。朝からずっとコンピュータの前にいて、途中、食事をし、気がついたら夜の九時になっていた。
(3:18 May.14 2000)

May.12

■リチャード・パワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫』を読む。同時に買った、リチャード・パワーズに関する解説本、『パワーズ・ブック』のなかで高橋源一郎が書いていることがよかった。近代小説と現代小説はどう異なるかという内容。それにしても、世界にはまだまだすごい小説家がいる。
(0:12 May.13 2000)

May.11

■中央線に乗り国分寺まで行った。親戚の者のMacをパワーアップするためだ。ビデオカードを入れ、HDDを換装。ものの三〇分ほどで作業は終わったが、ビデオカード(Voodoo3)の機能拡張が認識されない。おかしいと思ったらシステムのヴァージョンが古いらしい。アップデートは本人にやらせることにして帰る。帰りは国分寺からバスで府中に行く。むかし住んでいた町。このあたりに来るとなつかしい気分になるから困る。
(23:45 May.11 2000)

May.10

■コピーとFAXとプリンターがひとつになっている機械を使っている。その点検に来るというので昼過ぎから待っていたがいっこうに来ない。電話が鳴った。点検の人だろうと思って迂闊に受話器をあげると、小学館の編集者だった。新古典文学全集といったものを出すのでその月報を書いてくれという話。めんと向かうと仕事は断れないものである。しかし、なぜ古典文学なのか。
(7:07 May.11 2000)

May.09

■夏のような日。これからが本番である。
(2:14 May.10 2000)

May.08

■新宿のビデオ屋で、大島渚の『悦楽』と『無理心中日本の夏』を買った。夜、仕事場にあるコンピュータの環境を新たに整えようと作業する。使っている四台のコンピュータの背面にまわると、でたらめな状態でからみあうケーブルにめまいがした。筐体はたばこのヤニでべたべただ。コンピュータの環境より、もっと整理すべきことがあるらしい。
(2:41 May.09 2000)

May.07

■眼がすぐ疲れる。本を読んでひどく疲れ、なぜだろうと不思議だったが、本の下にある小さな文字の注釈がだめだと気がついた。それだけ衰えているということだ。注釈のほうが大きな文字の本はどうか。ほぼ一日、読書。仕事のためと、あといろいろ。で、原稿を書く。
(3:40 May.08 2000)

May.06

■やりたいことがいろいろあって困る。どれも中途半端になる。sevens.orgに、コンピュータに関してこれまで読んだ本のページを作ろうと思うが、書棚から本を探し出しスキャンしてと、すごく大変な作業で、その段階で気力がなえる。島根のAさんからさらにメールをいただき、「朝やるといい運動」のWEBを教えてもらったので少し実践する。股関節をこきっと音を鳴らすと萎えた気力が再生するとでもいうか、そういう話。「身体とやる気」について思いが至り、「演劇における身体運動」について考えはじめたが、小説のノートを少し書き、そうこうしているうちに一日は終わる。
(1:47 May.07 2000)

May.05

■島根のAさんからいただいたメールはとても貴重な話だった。触発されてNOTEになにか書こうと思ったがどうもまとまらない。昼間、新宿へ。歩行者天国ではいつものようにバンドや大道芸。小説の資料にしようと本を二冊買う。連休中は車が少ない。このところ頻発する高校生の事件の報道に触れ、やはり「身体」のことをNOTEに書こうとするが書けない。
(1:26 May.06 2000)

May.04

■NOTEが進まなくなってしまった。下北沢に買い物に出かけたがものすごい人の数だ。原宿にはこの時期、地方からやってくる人が多いと聞いたが、下北沢のこの人たちはどこから来るのだろう。買い物を終えて早々に帰ることにした。途中、紅茶専門の喫茶店を見つけて入る。入ってから禁煙だと気がついた。夜、sevens.orgのWebを作る。まだ扉しかないが、コンピュータに関するWebになる予定だ。デザインするのが面白くて作っているのだが。
(2:13 May.05 2000)

May.03

■Linuxで作業する。Linuxってなんだという話になるが、長くなるので簡単に説明すれば、個人用のコンピュータでも動かすことのできるUNIXということだろうか。ひどくずさんな説明だ。じゃあ、UNIXってなんだ。もうずいぶん前に読んだ、『Life with UNIX』という本が面白かったので、とりあえずこれを読むというのはどうでしょう。UNIXを知ってもしょうがないし、読んでもしょうがない話ではある。数年前から、FreeBSDなどこの手のPC-UNIXを動かしているがどうも面倒になって使わなくなる。もし、コンピュータが一台しかなくてそのOSがLinuxだったら、とことん使いこんだと思う。人はつい楽なところへゆく。アナログより、CDはやっぱり楽だ。MacもWindowsも使いやすい。簡単なのが一番だが、よくわからないことを解いてゆくのは、それはそれで面白いから困る。小説を書かなくては。
(23:37 May.03 2000)

May.02

■小説についての作業をする。いま書こうとしている題材に関して、思いつくことをひたすらエディターで入力。で、それと関連して自作機3号に入っているLinuxをひさしぶりに起動した。ちょっとこのへんのことが小説に必要になるのです。UNIX系のOSは、まずログインの作業がある。rootで入ろうとして、その「root」という言葉をど忘れした。そうしているうち、小説を書こうという気持ちが高まってくる。変な話だが。
(22:46 May.02 2000)

May.01

■名古屋のフリーペーパー、『プリズム』の取材があるので下北沢に自転車で行く。取材する女性から名古屋のおみやげをもらった。『手羽先せんべい』というらしい。「秘伝のたれ味」とある。

 下北沢を歩くと誰かに会う。文学座で『河をゆく』という舞台を三年ほど前にやったが、そのとき出ていた俳優さんとコンビニで会う。さらに、ENBUゼミの僕のクラスだった酒井に会った。酒井は、「ミスドーに行きます」と謎の言葉を残して去っていく。不審に思っていると、取材に同席してくれた制作の永井が、「ミスタードーナツのことですよ」と教えてくれた。
(22:55 May.01 2000)