『彼岸からの言葉』
(角川書店 1990/07/31

 『月刊カドカワ』の連載、「彼岸からの言葉」をまとめたもの。エッセイとしては初めての連載でただ面白いものをがんばって書くという姿勢だった。連載中からずっとイラストを描いてくれた、しりあがり寿さんに、表紙もお願いする。装丁は、中城裕志氏。しりあがりさんもやけに力が入っていると見た。最近は、忙しいのか、こんなには書き込まない。しりあがり、宮沢の、多摩美出身黄金コンビはここに生まれる。その後、文庫化もされ、解説を別役実さんにお願いした。
 
絶版いまでは,まずめったなことでは手に入らない。
『ヒネミ』
(白水社 1996/07/30

 戯曲。ほんとうは、岸田戯曲賞ライブラリーとして数年前に出されたものがあるわけだが、諸般の事情でこちらをお願いしたい。
 装丁は、坂本志保氏。この装丁が一番、気にいっている。少し色の違う部分は、森の写真である。濃い緑。表紙を開くと、架空の、「ヒネミの地図」が見られる。
『牛への道』
(新潮社 1994/05/15

 たしかあれは、青山のある出版社に遊びに行ったときだと思うのだが、そこで編集者から、面白いですよと渡され、CDーROMを見たのだった。そのタイトルが、「
TAO OF COW」だ。ここに私の、牛との出会いがある。牛はよかった。くだらなかった。で、それをまんま、書名にした。で、つい最近、文庫化もされているにも関わらず、単行本のほうが、増刷になったので驚いた。あるのか、そういうことが。
 装丁は、新潮社装丁室。イラストは、やはり、しりあがり寿氏。原画は額に入れて、我が家の宝になっている。
『考える水、その他の石』
(同文書院 1995/01/24

 評論集。クラブキングの桑原茂一氏から、「最初は、面白いエッセイがならんでるのに、だんだん、難しくなるね」と言われた。演劇誌で連載していた評論を一冊にまとめるのが目的で出した本だから仕方がない。ほかにも、評論的なエッセイなどを収録。正直言って、『牛への道』の読者はこれを読むと、戸惑うと思う。演劇評論家の人たちからは、評判がよかったけれど。
 装丁、坂本志保。もう少し、明るい装丁だったら、売れたのではないか。ただ、戯曲もそうなのだが、これも読んで欲しいというのが、著者の気持ちだ。
『わからなくなってきました』
(新潮社 1997/05/30

 売れました。『牛への道』から三年。忘れずにいてくれた。やはり、この書名と、表紙のイラストが決め手だったのではないか。ただ、この本がもとで、こんなに取材を受けることになるとは思わなかった。嬉しかったのは、書評がたくさん出たことだ。様々なメディアで取り上げられたが、なかでも一番、驚いたのは、「赤旗」だった。どういうことかよく理解できなかった。
 装丁、新潮社装丁室。
 ずーっと、こういう本を出し続けることになるのだろうか。
 1998年7月現在