[2001年05月04日]


■テクニカルリハ、つまり舞台用語で「場あたり」が午後からある。いきなり劇場付きのスタッフと激突。30分近く激論。で、気になったのは、なにかのことで議論していたらスタッフの中心人物が、「東京ではそうなんですよ」と言った言葉。で、僕が、「俺も東京で芝居やってんだよ」とあたりまえのことを言い返す。すると相手の声が急に小さくなる。つまり、劇場の付きのスタッフたちは、僕も含めこの舞台は袋井でやっているアマチュアの劇団程度のものだと、つまり、「なめていた」わけだ。なにしろ打ち合わせのとき音楽を出すのにMDや、テープに録音し直す手間さえいやがり「CDで出せばいいですよね」とわけのわからないことを言っていたのだ。そこですでにわたしはかちんときていたが、まだ我慢していた。しかし稽古を一度も見に来なかったんだよ、あいつらは。なめてんだよ。こんなもんでいいだろうという程度の仕事ぶり。音響のやつは仕事中、不謹慎に調光室で笑っている■しかし、この激論はすごく演劇的だった。ああ、こんなに面白い劇があるだろうか■この件については、もっと詳しくあした書く■激論のあと、場当たりでなにか言う気持ちが萎える。こんなスタッフと仕事するのはいやな気持ち。ずっしり重いものが身体に残る■あとで聞いたが、そのあと高校生の何人かが、調光室に、「お願いします。僕たちもがんばっているので協力してください」と泣きながら頼みに言ったという。なんだかわからない空気が劇場を包む。一気に本番に向けて奇妙なエネルギーが高まる。実は、あのスタッフにもわれわれが去年の夏からやってきたことの意味を理解してもらおうと思って、わざと喧嘩を売ったのだった。ぶつかりあいは必要だな。とたんに関係が濃くなる。激論の時、舞台監督の武藤は僕とスタッフを外に出して喧嘩させようと思ったらしいが、いや、これはみんなに見てもらおうと、そのまま黙っていたという。武藤の機転■いろいろなことがある。面白いなあ、しかし■
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