[2001年04月30日]


■月見の里学遊館はとにかく建築がすばらしい。長谷川逸子さんの設計。細かい部分まで一貫したデザインが美しい。入り口を入ってすぐのところにあるロビーのような場所の椅子の配色はすごくきれい。窓が大きく開放的で、夜、外から見るとあかりのきれいさはただごとではない。建築を見るだけでも価値がある■そこで稽古ができるのはぜいたく。一週間前からホールを使って通しができるのもぜいたく。とてもいい環境での芝居作り。建物のなかに「もの作りのワークショップの作業室」があり、すぐ近くでものを作っているスタッフがいるのもいい。市民の方たちが衣装を縫い、舞台監督の武藤を中心に高校生たちが道具を作っている。やけに楽しそう。わーわーわーにぎやかだ。そんな雰囲気の芝居作りは、なんていうんでしょうか、学園祭とか文化祭みたいでやたら面白い■ストレッチ。歩きの稽古。歌の練習から稽古をはじめる■それから細かい直し。高校生が家に戻ってくるシーンで、家族が「おかえりー」となぜか意味なく脱力しながら倒れて出てくることを思いつき、それをやってみる。脱力の手本を示そうと僕が何度かやって見せたがやっているうちに頭がくらくらする。午後はちょっとずつ細かい稽古。時間がもっと必要だ。気になるところはまだある。緻密に作りたい。時間がない。だけどちょっとずつよくなっている■夕方から通し。シャープにするつもりが、思いついたこといろいろあって付け足し、逆にのびている。シャープじゃないところもあるのでそこを直さねば。伊地知が軽くなっていいでき。しかしほめるとまた硬くなる恐れあり。通しが終わってから全体の印象を簡単に話してきょうの稽古は終わり。しかし、終わっても、よほど遠いところから来ている者をのぞいて、たとえば自転車で帰る者などいつまでも帰らず劇場にいる。帰るのがもったいないかのよう。なんだかみな、変に楽しそうで、道具を作っている高校生らはやけに生き生きと仕事をしている。なんだこのなごやかな雰囲気は。この面白さはただごとではなく、これほどぜいたくな遊びがあるだろうか■あとは客がどれだけ来てくれるか。遠方からの客多し。それがうれしい。ただ、地元の人たちに演劇の面白さを伝えたい。作ることのよろこびも。だからいい作品を作る。ぜったいいい作品にする■帰り、伊地知にまた車で送ってもらったが、少し疲れている気がする。昼間仕事で、夜の稽古はきついだろう。しかも稽古に入ってから休みがないはずだ。少し心配になる。家に帰って早く寝、しかし夜中に目が覚めたので台本のチェック。あらためて全体をよく読み、わかったこといろいろ。まだよくなる。まだまだよくなるはずだ■
●四月分
●月の教室通信
●トップに戻る

PAPERS(C)2001
u-ench.com