■関西ではOMSと言えば有名だが、それは、「扇町ミュージアム・スクエア」の略称である。この日記にも何度か書いたが、よく見れば、「扇町ミュージアム・スタジオ」とか、「扇町ミュージアム・ステーション」などと間違って書いている。ほんとうに申し訳ない話だ。気づかなければ、今後、「扇町ミュージアム・スタジアム」とか、「扇町ミュージアム・スタジアムジャンパー」とわけのわからないことを書くところだった■袋井で公演する『月の教室』の稽古のため、向こうに行く予定だったが原稿を書いているうちに一日が終わる。『JN』の「資本論を読む」が書けないのだ。そうこうするうち、朝日の連載も締め切りが来てしまったので、とりあえずこっちを片づけてと思っても書けず、やっぱり順番だからと、「資本論」に取りかかるがうまい切り口が出てこない。うなりながら食事をしに外へ出る■近所にあった蕎麦屋に入ったが、だめだろうと思っていたのに意外にうまい。わりとしっかりした店なのに、店の外に旗を立てたり、ランチメニューがあったりと、蕎麦だけでは商売が成り立たないのだろうか。地方ではそうなのだろうなあ、残念な話だと考えつつ蕎麦を食っていたが、そんなことに心を痛めている場合ではなかった■気分を変えようとぶらぶらしているうち、近所にある、「大西清右衛門美術館」に入ってしまった。釜座通りのつきあたり三条とぶつかるところに、「御釜師」という看板があり、そこが「大西清右衛門美術館」だ。わたしは見た。釜の数々だ。代々の、御釜師・大西晴右衛門の作品だが、現在で十六代目だと知ったし、歴史も知り、さらに美術館内で、「釜師の家に生まれて」というビデオだって見てしまった■いま、「陰陽師」はかなりブームだが、「御釜師」のことはあまり知られていないのではないか。まったく残念でならない。だが、そんなこともいまの私には関係のないことだ■関西で開催するワークショップはかなりのところまで具体的になってきた。場所は「扇町ミュージアムスクエア」のテントで出来ているという稽古場にほぼきまりだ。S君とYさんが活発に動いている。AIホールの方や、扇町の人も、このワークショップに関心を寄せているそうで、S君が行くと、そのことで質問されるという。ワークショップの名前は「World Technique」にする。ずっと東京で使っていた名前だが、やっぱりこれがなにかぴったりくるような気がした。で、昔の資料を調べていて、ふと、そうだ、『西麻布ダンス教室』(白水社)の桜井圭介君を大阪に呼ぼう、講義をしてもらおう、いつものようにダンスの授業を設けようと思いついた。これだと受講料もたいへん有効に使える■それで思い出したが、『月の教室』の劇中歌の歌詞も書かねばならないのだった。せっぱつまってきた■
●四月分
●月の教室通信
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