■朝早く家を出、父親と永井と浜松へ■父親が趣味で版画をやっており参考書が掛川の書店にはおいてないというので浜松の谷島書店に行く。高校時代、谷島書店にどれだけ世話になったかわからない。学校帰りのバスが、いまはもうなくなってしまった遠鉄ビルの前で止まりそこからすぐエスカレーターでビルの中にあった谷島書店に入る。いろんな本を買ったな、そこで。いろんな本を読んだ■地方の書店には、なんといいますか、ろくな本がない。谷島書店はまだいいほうだ。で、遠鉄ビルのなかの谷島書店はなくなっているので本店のほうに向かう。やっぱり本の種類が少なくてがっかりだが、父親はめあての本を見つけたらしい。僕も数冊買う。このあいだ書いた「小説トリッパー」を父親に見せ、ほら書いたよというと、それ買えとのこと。中上健次について書いた文章を読んでもなにがなんだかわからないと思うがこれも親孝行だろう。わからないが■そのあと画材屋へ。版画に使うローラーを見つけた父親はうれしそうにしている■午後から稽古■完成した台本を配って読み合わせ。これでいいかなあと悩むが、ばらばらに書かれた参加者たちの台本をよくもまあこうも強引に一本の芝居にしたものだ。少しずつ稽古。特に後半のあたらしく書いたところなど。稽古を少し早く切り上げ、『月の教室』を公演する月見の里学遊館の「うさぎホール」を見学。出発前、駅前から出ているバスに乗り遅れちゃいかんとみな大騒ぎ■月見の里学遊館には、設計をした建築家の長谷川逸子さんがいた。挨拶。ホール見学。とてもいいホールだ。その写真もまたアップする予定。現場に来ると高校生はまた大騒ぎ。なんだかやたら楽しい。帰り、また伊地知の車で送ってもらう。伊地知、稽古が楽しくて仕方がないという。なにより楽しいのは女子高生と一緒にいられることらしい。いつもとはちがう道を行く。ものすごくおそろしい山の中の道。周囲は真っ暗だ。想像を絶する暗闇。永井、本気でおびえる。怖いのと、面白いのとで、俺はもうユニヴァーサルスタジオ・ジャパンに行かなくてもいいとさえ思った■
●三月分
●月の教室通信
●トップに戻る