■あらためて書き出した小説、『28』には花火を見る場面がある。取材に多摩川の花火を見に行った。花火大会などに足を運ぶのはもう三十年ぶりぐらい。電車で行くと混雑がひどいと思い二子玉川まで自転車で行った。それにしても驚いたのは花火である。きれいじゃないか。きれいだとは話に聞いたことはあったがほんとうにきれいだった。花火師になりたい気持ちになった。だけど花火と花火の間隔が短すぎないだろうか。「間」を楽しむのも風流というやつだろう。わーわー騒いでいるうちに終わってしまう。まあ、どうだっていいんだけどそんなことは。行くときはほとんど下り坂で自転車も快適だが、帰りがすごい。たいへんな距離を走る。しかも登り坂。走っても走っても世田谷区だ。ものすごい距離を飛んだつもりなのにまだお釈迦様の手の中にいた孫悟空のような気分だ。世田谷区は広い。
●八月分
●世田谷日記
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