[2000年8月18日]


■ワークショップ最終日。新宿を歩きそれをもとにした作品の最終発表。各班それぞれで面白かった。いろいろなやつにまた出会ってしまった。ワークショップはそのつど試行錯誤だ。まだなにかあるはずだ。ただ、技法化され、プログラミングが整ったものなどやりたくない。ある種の、「セミナー」じゃないんだから。そのあと、『Spotting』という雑誌の取材。カメラマンは、あの殴ろうとしたばかとちがってプロでした。編集者の女性がこの日記を読んでいてやけに気を遣ってくれた。で、カメラマンが撮影場所に指定したのは曙橋と四谷三丁目のあいだあたりのごちゃごちゃした住宅街。そこに大仏があったのです。驚いた。小規模な大仏。「小規模な大仏」と書くとよくわからない表現だが見てもらえば納得するはず。ちょっとした隙間にわけのわからないものがあるものだな、町というやつは。来週はまた静岡県の袋井でワークショップ。なかなか小説に気持ちが移れない。『28』を読み直すが四百四十枚は長いよしかし。京都に行くまでに書く。絶対に書く。『草の上のキューブ』を途中で邪魔が入ったから三分の一までしか読めなかったという文學界のOさんは、「文体をがらりと変えていたので驚いた」とFAXで伝えてくれたが、いや、文体は変わっていない。世界がまったく異なるので言葉の印象がちがったのではないか。「池袋」から、「ある地方の小さな町」へ。早くたくさんの人に読んでもらいたい。

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