[2001年08月30日]


■引越の準備は着々と進んでいる■といっても、わたしはなにもしていないし、腰があぶないし、ただ原稿を書いているわけだが、梱包材を買う仕事を手伝うため外に出る。このへんでいちばん近い梱包材店は下高井戸にあるという。自転車で走る久しぶりの世田谷。新しい家が建っている。雰囲気のいい日本家屋が壊されマンションになってゆく。変化はしょうがない。変化するのが町。以前から不思議だった屋根の上で飼われている犬は、相変わらず屋根の上にいる。梱包材店は住宅街のなかにある。近くを世田谷線が走っている。引越したら世田谷線に乗る機会もなくなるだろう■ところで引越先はADSLにしようと思うが詳しいことがよくわからない。まずなにをどうすればいいのだ。NTTに連絡なのか? それ専用のルーターとかそういったあれも必要なのだろうか。誰か教えほしい。以前、『コンピュータで書くということ』を書き続けていたとき、なにかわからないことがあるとすぐに教えてくれる方たちがいてほんとうにうれしかった。まだ読んでいてくれればいいが■『月の教室』の戯曲を直していた。全体が四つのファイルに分割してあるので、それをアタマから直していると、後半、四分の一ぐらいがないと判明。もしかしたら最後のあたり、五番目とか六番目のファイルが存在するのかもしれない。つまり、後半部分のテキストデータは掛川の家のコンピュータのなかだ。あわてる。掛川に取りにゆかねばならんのか。いまごろなんで気がついたんだ。白水社のW君に電話し締め切りを延ばしてもらう。理由を話すと、「送ってもらうわけには」とのこと。データはコンピュータのなかだ。うちの親がコンピュータをさわれるわけがないではないか■『草の上のキューブ』という去年発表した小説は、ハッキングが話の中心になっている。コンピュータが好きな人にしか理解されなかった。でもこりずにときどき、ハッカーやクラッカーたちのアングラサイトに立ち寄って情報を仕入れる。用心深く、「ここクリック」なんてものにはめったに手を出さないでいたが、ぼんやりしていたせいか、ついクリックしてしまった。メーラーを勝手に立ち上げどこかにメールを送ろうとする。閉じても閉じても立ち上がるメーラー。よく知られたメールアドレスを奪う例のあれだ。で、わかったのはメインのメーラーとしてコンピュータに登録しているメーラーが立ち上がることだが、幸いにも僕はメインのメーラーをほとんど使っていない。よかった■すごい人たちがいるんだな。もっと調べてまたいつかなにかに書こう■ワークショップ受講者たちから次々メールが届く。うれしい。そういえば、このあいだ東京オペラシティーで美術展を見たとき、以前僕のワークショップに来ていた者が会場のバイトをしていた。ものすごい数のワークショップをやっている。どこにいってもかつてのワークショップ受講者がバイトしていたらちょっといやだが、その件について、野牛男(のぎゅお)はどう思うだろうか■
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