■studio21で岩下徹さんはじめ、四人のダンサーによる『ばってら』という公演がある。四人がリングのような四角い空間で同時に踊る前半がすごく面白かった。観客はその四角を取り囲むように見る。ある時点以後、岩下さんから目がはなせなくなった。ずっと岩下さんを見ていると、突然、床に置かれた紙にプリクラをテープで貼りはじめる。それまでの踊りとはまったく異なり、それまでもよかったけれど、ただ細かい作業をしている姿がただごとならない。これはすごい■休憩をはさんで後半、場内から自由に観客が中央に出ていって踊る。見ていられなくて困った。途中で退場。帰ることにした■で、九時過ぎから一年生Dクラスの授業打ち上げがあり誘われていたので参加。気がつくと、Y君やMさんとばかり話している。もっといろいろな学生と話すべきだった■2003年初頭に、『あの小説の中で集まろう』を再演する計画をしていた。年齢的に、むつかしい人が出てきてしまうのを、たとえば、戸田君、正名、加地君、宋などは初演時のまま残し、あとはオーディションで探そうかと考えていたし、重要な「男」という役を柄本明さんにお願いできたらそんな幸いなことはないと構想していた。しかし、Y君と話していたらべつのことを思いつく。『あの小説の中で集まろう』は「片づける劇」だった。それを書き直しまったく新しい劇として構築するのではなく、「片づけない」というあたらしい文脈でべつの劇が生まれるかもしれない。「片づけない」というきっぱりとした意思表明だ。そのための「方法」がきっとある■
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