■目が醒めたのは午後三時過ぎ■仕事がない。久しぶりの休みだ。どこにも行かなくていい。夕方になってから外に出、姉小路沿いにあるカフェに行こうと思ったらものすごい雨が降ってきたのだった。傘をさしていても全身びっしょりだ。折しも、京都は祇園祭の真っ最中。烏丸通りが交通規制され、道沿いに露店が出ている。雨を避けて新風館に入ると雨宿りする者らがいっぱいいる。浴衣姿が多い。ああ、祭りなんだ、そうか、祭りかあ、と妙に感心した。カフェにゆくのはあきらめ、家に戻ろうとした途中、新町通りにあるそば屋で食事することにした■そば屋を出るころには雨が上がっていた■で、新町通りを四条のほうに歩いてゆくと、いくつも鉾が立っている。いわゆる、山車ってやつになるのかな、鉾というのは。通りの左右にはやっぱり露店。それから、ふだんは閉じられた町屋が公開されている。まさに京都。こりゃあもう、町中がお祭り騒ぎだ。ワークショップに来ている立命館のH君は京都生まれの京都育ちで、「祇園祭なんて面白くないでしょう」というが、外から来た者の目から見ると、こんなにいいもはない。しかも、ぶらっと散歩のつもりで外に出たら、いきなり祭だよ。なんという場所に住んでいるんだ俺は。祇園祭のために部屋を借りたようなものじゃないか■舞台が終わった翌日の、のんびりした時間。ぶらっと外に出ると祭。なぜここにいるのだろう。不思議な気持ちになりながら新町通りを歩いてゆくと、あまり歩いたつもりはないのにすぐ四条通りだった。四条にも巨大な鉾がある。祇園囃子が聞こえる。雨が上がって気持ちのいい風が吹く■
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