[2001年07月06日]


■きのうの日記は一部削除だ■昼間、こんどの舞台で使う音楽を探そうと早く家を出る。べつに京都で探してもよかったが夕方からワークショップがあるので大阪へゆくことにした。行きの阪急電車のなかで台本を読み返し音楽のことを考える。メモを取ってそろそろ梅田に着くころだと思ってばらばらになってしまった台本をまとめようと、窓のところでとんとんと、よく紙を整えるときにする仕草をした。阪急は金属製の日除けを上にスライドさせる構造になっている。窓の手前に日除けを収納してある隙間があり、隙間に台本の一部が落ちてしまった。もう取り出せない。いつかこの電車が解体されたとき、なかから僕のメモが入っている『あの小説の中で集まろう』の戯曲が出てくるのだろう。見つけた人はどう思うだろう■こんなことがあった日はろくなことがないに決まっている■で、LOFTのなかにあるWAVEに行く。HMVとか、タワーレコード、ヴァージンメガストアなど行きたかったが場所がわからない。WAVEはフロアがひとつだけ。ちょっとがっかりした。下調べをしてもっと小さな規模でも品揃えのいい店をまめに探せばよかった。やっぱりきょうはだめだ■六時過ぎ、扇町ミュージアムスクエアに着くと鳩がいた。どうやら飛べないらしい。手を差し出すとつつく。なにか食べたいらしい。書くのを忘れていたが、先日、稽古場に猫を拾ってきた学生がいた。全部で四匹。しょうがないなあと思っていたら、そこへ鳥のヒナを拾ったという学生が現れた。拾う日か、きょうは、と思っていたが、鳩まで拾うとはいったいなにごとが起こっているのだ■テキストを読むという課題の日■ビデオなど見せた、「声」についての簡単な講義のあと発表へ■大阪のS君の読みがすごくよかった。OMSの裏から歩きながら読むS君を追いかけてみなそれを聞く。テキストは、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』のあとがき。歩いてゆくとその先は夜の扇町公園。ライトがまぶしくひかり、あたりを照らす。大きな広場。周辺にビルがならぶのを遠くに見、空はやけに広い。とても気持ちがいい。扇町公園にS君の声が響く。多分に個人的な思い入れもある。事故後の岡崎さんのこと。『リバーズ・エッジ』という作品。いま稽古している『あの小説の中で集まろう』が、『リバーズ・エッジ』からかなり引用していること。S君は淡々と読む。声もまた静かにひびく。ほんとうによかった■雨が少し降った夜。涼しい■
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