[2000年12月11日]


■京都はひどく寒い。2月はこんなもんじゃないと人は言うが、これ以上寒くなったら死ぬのではないか。夕方、食事に出て丸善で本を物色。数冊買って、買ったことにうれしくなりいやなことをいろいろ忘れる。朝日の連載を書きあげてメールで送る■柄谷行人さんのインタビューをある雑誌で読んでいたらこういう箇所があった。「八〇年代の東欧とかソ連の作家はものすごく幸福だったと思うよ(笑)。演劇だって、あんな難しいものをやって劇場がよく満員になっていたな、と思うものがたくさんある。事実、八九年以降、観客はだれもこない。ハリウッド映画や日本のアニメを見てる(笑)。あのころ、芸術一般が悲惨な状態にあったといいながら、いちばん存在していたのではないですか」文学は本来ネガティブであり、抑圧があってはじめて輝くというアイロニー。ましてこの国では■『28』を読み直す作業。読みながら書き直す。今年中に『新潮』のNさんに渡すようにしなくては。とはいってもあまりあせりたくない。じっくり書く。じっくり直す。あせってもしょうがない■

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