■雑事いろいろ■京都で僕がよく行くのは、河原町御池のあたりにある、「OPAL」というカフェと、今出川通り同志社大学の近くにある「ほんやら洞」という喫茶店で、二軒の文化的背景はかなり異なる。あたりまえだが。まずOPALがWebを持っているのはいかにも現在的で、一方、ほんやら洞は、『ほんやら洞通信』というミニコミを発行しこれまたある時代を感じさせる。二つが同居している町が、よそ者の僕には面白いし、そのどちらも好きな自分もどうかしている■店内のインテリアや流れている音楽もかなり異なるが、ここでひとつの発見をしたのだった。「ほんやら洞」には、演劇のチラシや、講座が開かれる告知のチラシなど無数にあるが、それはたいてい、チラシに穴を開け穴にひもを通して壁や柱らに吊されている。一枚手にとってはぴしっと引っ張って手に入れる。70年代、よくこういう店はあったし、たとえば下北沢のザ・ススナリなどいまでも同様に壁に芝居のチラシが吊されている。一方、OPALはちがう。いまではクラブなんかがそうだが、棚があって棚に平積みにされているし、それらはたいてい、「チラシ」ではなく、「フライヤー」というやつ。結局、紙に印刷されたなにかだ。「吊す」か、「置く」か。この差異は何を意味するか■そう考えていたら面白くなってきた■「ほんやら洞通信」に『追っかけグラフティ』という文章がある。この文体が面白い。こういう書き方もあるのか。関西の言葉が無理なく文を作り、不思議な空気がただよっていきいきとしている。こんなふうに書けたらと思った■
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