[2000年11月11日]


■かつて万博会場だった土地に、国立国際美術館がある。『安斎重男の眼』展を見に行った。現代美術の現場に立ち会いそれを写真に収めた二六〇〇数枚という膨大な作品群。見たね、俺は、三時間かけて。面白くて時間を感じなかった■たとえば、七〇年代初頭の「もの派」の作品など、こうして写真に収めておかなければ消えてしまう種類の作品だし、その記録の意味は大きいにしても、それだけではないと思う。そのときの空気を感じるからだろうか。美術家たちの熱みたいなものが写真から感じ、作品が、単なる写真というより、生々しいドキュメントとして浮かび上がる。九〇年以降の写真からそれが感じられなくなっているのはなぜだろう■それにしても、美術館の外に出ていやでも目に入ってくる太陽の塔はすごいね。でかいよ、太陽のやつ■風が冷たかった。広大な土地に風がふいている。万博が開催された三十年前、ここに来たことがあるが、記憶に残るのは、太陽の塔以外ほとんどない。ただ、周辺に残された建築は当時のデザインだ。あのころの未来。それが面白い。ウルトラマンが出てくるんじゃないかと思わせる風景だ■

●十一月分
●京都その観光と生活
●トップに戻る

PAPERS(C)2000
u-ench.com