[2000年10月11日]


■朝九時から授業。受講者は三分の二。まだ一度も顔を見ていない学生もいる。ごく単純な、「対話」のテキストを先週と同様にやってみる。ほとんど演技経験のない学生も、台本と人に見られているという状況を与えると、芝居らしきものをするのが不思議だ。いったいどこから、「演技」というやつはやってくるのだろう。人は、人との関係で存在し、見られていることを日常でも意識しているが、その場合の、「演技」とも違う種類の、「演技」が出現する。それがなんだか面白い。昼に授業が終わり、学科会議が五時半からなので食事をしようとぶらっと外に出る。出町柳まで行ってカレーを食べ、コーヒーを飲む。新聞をくまなく読んでも時間があまる。本を持ってくればよかったと後悔した。大学の近くに戻って京都に最初にできたオープンカフェという伝説のカフェに入り驚いたのはコーヒーが二百五十円だったことだ。学科会議には映画監督の林海象さんが来ていた。来年から映像・舞台芸術学科で一緒に教えることになる。あと、アニメーションの相原先生も来ていてうれしかったが、私はもうその時点でへろへろであった。一日が長い。会議中、林海象さんはノートに鳥の絵を描いていた。学科会議のあとの飲み屋で、林さんと相原さんは爆発していた。相原さんの言葉で表現すれば、「スパークしていた」ということになるが、とにかく二人の話がものすごく面白い。私は半分、眠っていた。

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