u-ench.com 1998-3-17 vol#24



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宮沢章夫 akio@u-ench.com

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遊園地再生事業団が運営するWebSite PAPERSです。遊園地再生事業団の活動予定、主宰する宮沢章夫の個人的なPage、ほかにも、WorkShop情報、などで構成されております。毎週火曜日更新(の予定)で、今週は特別号ですが、といっても、ほんとうは休むつもりだったけれど、まあ、それもなんなんで、こういった形になりました。当然、 WAT's NEW はありません。いろいろやりたいことはあるのだがなあ。バックナンバーこちら --> GO to BackNumberSalon


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◎執筆ニュース◎
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 今回は、二十歳前後の若い女たちの話だ。親が行方不明になって、自分たちで生活してゆかなくてはならない姉妹。彼女たちはとりあえず、ガレージセールをはじめる。

 で、台本を書き出す前に、ガレージセールで売る物をリストにする作業をはじめたが、細かいものを入れれば、数百にのぼる。舞台監督がこれだけのものをそろえられるかなどと、考えつつ、戯曲を書き進めるのも本末転倒である。

 その頃、わたしは、原因不明のアキレス腱痛に悩まされていたのだった。歩けない。歩くと激痛が走る。じっとしていればいいが、それから動こうとすれば、伸ばしたアキレス腱がどうにも痛い。困った。なにかのばちがあたったのかもしれない。

 部屋を整理し、ノートをまとめ、連載の原稿もばたばたと片づけ、いよいよ書こうとした矢先、Windowsマシンの調子が悪くなった。復旧するためハードディスクの初期化、Windows95再導入を試みたが、バックアップをとったり、なんだかんだで二十四時間。そのあいだ、ほとんど寝なかった。めんどくさいぞ、こういうときの、Windowsは。

 Macも、Os8にしてからネットスケープが突然、落ちるのはなぜなんだ。なんの前触れもなく突然、落ちる。それから、7600/200は、スリープから元にもどったとき、何度かに一度、固まるのが困っているのですけれども。

 そんなわけで、Macの情報を集めようとMac関連のサイトをまわるうち、レベルの高い技術系サイトがあって感心するが、ときどき、ごく一部に存在する、Macが大好きな連中のページをつい読めば、ほんとうにばかだ。どうしたらいいか困惑する。読んでしまった俺がわるい。

 かと思えば、Windows系のサイトでMac好きを罵倒しまくるページがあって、奇妙なのは、読んでるとだんだんWindowsがきらいになることだ。こんなやつが使っているのかと腹立たしくなる。

 どっちもどっちだ。いやになる。

 箸しか使ったことのない人が、フォークとナイフで食事をしなくてはならなくなって、箸を使う方法で、フォークとナイフを使ったらどうだろう。片手に箸のようにフォークとナイフを持つ。使いづらいというにちがいない。そりゃあ使いづらいよ。それはまちがっているからだ。その逆もある。どっちもどっちだ。いやになる。

 しかも、アキレス腱はまだ痛いし。

 曜日に対する感覚がなくなっているのも困った話で、気がついたら、土曜日だった。水曜日だと思っていたのは、どうしてなのか。

 で、書かねばというせっぱ詰まった状況になると、ふと小説など読みたくなるのも奇妙な話だが、ある種の逃避だ。つい、ディックなど読んでしまってその小説世界にひたり、現実から遠ざかろうとするから、人間とは、やっかいなものよのお。そんな頃、ある若い劇団の人からメールをもらう。劇団名にちょっとあきれた。

「劇団奥様は大魔王」

 人をばかにしているのか。笑ったけど。それで思った。やはりそうか、もう演劇なんてどこにも存在しないのだ。正しくは、「演劇という制度」が消滅したということだが、詳しく書くと長くなるのでまたの機会に。いや、そんなことを考えている場合ではないのだ。ただただ、書く。ただ書くことが必要だ。今回はいつもよりずいぶん仕上がりが遅くなってしまった。稽古初日に間に合うだろうか。

 そんなところへ雑誌の原稿依頼がくる。依頼書のFAXを読めば、ばかが書いたとしか思えない。もしかすると、こいつもMacを使っている一部のああいった連中の一人ではないか。「読みやすく、ユーモアのある面白い内容でお願いできれば」などとあった。ばかやろう。こんなやつのために書いてたまるか。注文すればすぐに出てくると思ったら大間違いだ。そば屋の出前じゃあるまいし。

 それにしても、アキレス腱は痛いのだ。



<編集後記>
 今週も、特派員情報を送ってもらった。すごく面白かったけれど、どう考えても、文体が俺だよ。俺が書いたんじゃないかって文章だ。自分に文体などないと思っていたのに、不思議だなあ。でも、少しうれしい。
◎小学校のときのともだちから二〇年ぶりに年賀状をもらった。家族と写るいまのともだちの写真があった。それがこんな姿だったら受け取ったほうはどう考えていいのやら◎


Published: September 9, 1997 Updated: March 17, 1998
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