u-ench.com 1998-3-2 vol#22



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宮沢章夫 akio@u-ench.com

Thank you!


遊園地再生事業団が運営するWebSite PAPERSです。遊園地再生事業団の活動予定、主宰する宮沢章夫の個人的なPage、ほかにも、WorkShop情報、などで構成されております。毎週火曜日更新(の予定)このあいだ、あるコンピュータショップに行ったところ、新装開店なったその店が、かつてはごちゃごちゃしてたのが、やけにすっきりしてつまらない店になっていた。PAPERSにも、最近そんな感じがある。初心に戻りごちゃごちゃしようと思う。 WAT's NEW はありません。バックナンバーこちら --> GO to BackNumberSalon


  初心わするるべからずだ

 そういうわけで、21号以降、新しいスタイルでやってゆこうと思ったが、元にもどしてしまったのだ。先週はお休みだったが、あらかたできていた。見たい方もいるかもしれないが、見せないね、ぜったいに。


      耳の日
 うなじの日はないのだろうか。くるぶしの日はどうなのか?


  六月公演のタイトル決まる

 5月の公演のタイトルはご存じのように、『ゴーゴーガーリー』だが、(詳細はこちら>>>>)、六月公演のタイトルも決まった。これでどうだ。

 なんのことだかわかるまい。宮沢としてははじめての、英字の作品名である。

 alt.
 やってみたいことはいくつもある。たとえば、「壁に向かって長時間、ただ紙芝居を読み続ける、聞き手のいない不幸な男」だ。それは、ごくあたりまえの「ドラマ」のなかなら、狂人にしか見えないだろう。狂人が、狂人ではなく、「普通の人」として出現するためには、「劇の枠」を変える必要があるようだ。「実験」といったものではけっしてない。ゆるやかにその向きにながれるまたべつの表現。狂人が、ある意味、オルタナティブであるなら、それを、〈alt.〉と表記しようと思う。だから町には、少なく見積もっても、五万人の「壁に向かって長時間、ただ紙芝居を読み続ける、聞き手のいない不幸な男」たちがいる。オルタナティブ・ニッポン。オルタナティブ・トーキョー。かいま見るある家庭の午後。むつかしいことになっている若い男女。途方にくれる王様。見たこともないダンス。暗がりに並ぶテレビモニターは電気屋。そんな世界。



 <alt.>
  六月、フジタヴァンテ。
  お楽しみに。

耳をすませ
確定申告の時期がやってきた

COLUMN 宮沢章夫 .
なんでも格闘技なのか?
2
 
 アイスホッケーのカナダとアメリカの試合を見ていたら、放送のキャスターとおぼしき連中が、「いやあ、アイスホッケーは格闘技ですねえ」というのだが、私は、だからなんだという気分になったのである。
 ほかにも、CMで、「ボブスレーは格闘技だ」と口にする者もいるし、いまや、なんでもかんでも格闘技ということになっているらしい。私は思うのだ。
「アイスホッケーは、アイスホッケーじゃないか」
 勝手に、「アイスホッケーは格闘技だ」などと決めつけたら、アイスホッケーの選手の、微妙なワザもなにも、見ないことになってしまうではないか。失礼だぞ。
 結局、言葉がまずしいということなのだろうか。
 だが、「まずしい」と決めつけるとどこかの劇作家も書いていた、「いまの若い連中は言葉がまずしい」という、それもまたお決まりのフレーズになってしまう。だから、ここで問題なのは、「格闘技」ってことにしておけば、いいらしいという部分にただよう、「ある種の気分」だ。注目すべき点はそこにある。
 格闘技だったらなんでもいいのか?
 そんなに格闘技がえらいのか?
 こうなったらなんでも格闘技ってことにしてやろうじゃないか。
「スナック芸は格闘技だ」「洗濯は格闘技だ」「山田は格闘技だ」「障子の張り替えは格闘技だ」「ズビは格闘技だ。ズビってなんだ?」
 なんでもいい。
 (この文章の正規製品版は、雑誌『鳩よ!』に掲載されます)
まちがった考え
「原稿はだいじょうぶ?」
 一部の編集者は、まちがったことをいうので困る。先日、ある編集者からWebを見た感想がメールで届いた。
「ずいぶん文章書いてるようですけど、原稿はだいじょうぶ?」
 なんだか、母親からのメールのようだが、この編集者は、自転車に乗れない。そして、まちがった考えをしている。ふつうはこう考えるものだ。

「ずいぶん雑誌に書いてるけど、Webはだいじょうぶ?」

 しかし、Web作りは、単に趣味としてか受け止められないのは、なぜだろう。収入に結びつかないからか。だったら、芝居はどうなるんだ。演劇はまるで金にならない。そこがいい。インチキ野郎が入りこまない。


 あの広告、かっこいいと思うんですけどいかがなものでしょうか。「クレージーな人々へ」というやつ。見たことのない人は、こちらへどうぞ。
Think different
 で、私は、思ったのです。あの写真の人物を変えて楽しむことができるのではないか。いろいろ、案が浮かびましたが、とりあえず、よく知られた、「クレージーな人々」で作ってみましたので、ごらんください。(くれぐれも、オリジナルを先に見るように。あとべつウインドウに表示されますから、戻るときは、それを閉じてください。ところで、クレージー・キャッツは知ってるよねえ?)
CRAZY SEXY COOW
文・HARA特派員
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 彼は涙ながらにその肌を露にすることを拒んだのだ。記事の後半にあるように、これは彼にとって初めての試合ではない。それまでの試合では、肌の露出はなかったものと推察できる。
 だが待て。記事には「下着の着用を認めた」とある。この「下着」を、いわゆる「パンツ」であると想定すると、話の色合いが微妙に変わってくる。
 私は、キックボクシングの計量に関してまったくの門外漢だが、日本でのボクシングのそれや、大相撲の新弟子検査のそれをテレビで見た記憶では、被検者はトレパンと思しきものを着用していた。そうでなければ、健康的なスポーツニュースの画面に、夥しい量のモザイク処理が必要になってしまう。
 ボクサーの減量は大変であろう。中には計量をクリアするために下着の重量でさえも気にする選手もいるかもしれない。それにしたって、計量を受けるもの全員に素っ裸になることを要求する、タイ・キックボクシング界はちょっとどうかと思う。
 なんにしても、係員の中に下着着用許可の英断を下す人物がいてよかった。パリニャ選手には連戦連勝してもらい、いつの日か日本でも取り上げられる地位にまでのぼりつめて欲しい。そのとき、日本人ジャーナリストの質問に答えて恥ずかしがり屋の彼は、アイシャドーを施した目を伏せて、はにかみながら言うのだ

「裸一貫からここまで来ました」
Text by HARA
 昨日(2月25日)、友人から下記の情報が送信されてきた。彼は毎朝ネットでニュース閲覧をしているのだ。

 女装趣味のタイ人ボクサー、体重計測で 裸になるのを拒否(ロイター)

 まず、タイトルがふるっている。「女装趣味のタイ人ボクサー」でおそらくすべてのネットサーファーの注意を集められるはずだ。

 女装趣味のタイ人キックボクサー、パリニャ・キアトブサバ選手(16)が24日、バンコクのジムで、規則になっている試合前の体重計測で裸になるのを拒否し、大騒ぎになった。パリニャ選手は、「規則は受け入れられない。公衆の場でどうして裸になれるか」と涙ながらに語った。この”美人の”タイ人キックボクサーは、口紅などで化粧し、髪はヘアバンドで留めている。地方で22度試合に出場した実績があるが、バンコクでの初めてのビッグファイトに臨む。パリニャ選手は、体重計測の際に裸になる規則に慣れていなかった、という。計測でショックを受けた同選手が、涙を流したため、計測に立ち会った役員が下着着用を許可した。地元のボクシング専門家によると、恥ずかしがりの同選手は一見弱々しいが、リングに上がると、恐ろしいキックボクサーになる、という。

 平均的日本人の観点で、この記事を分析してみよう。 まず最初に抱く疑問は、「タイではキックボクシングが上半身裸で行われないのか?」ということであろう。
. ◎特派員報告募集中
 メールを送れば、あたなも立派な特派員だ。

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SMALL WORLD
 この私が、こともあろうに、幕張で開催されたMAC WORLD EXPOに行ってしまったことは誰も知るまい。そこには、サルがいた。松本弦人氏の「ジャングルパーク」のサルだ。なにかうれしい気持ちになったのだが、事件はその後、発覚した。
 仕事で、うちの事務所の井上に会った。『会議』に出演した俳優の一人、かつてはコントグループに在籍していた村島が最近、渋谷に店を開いたという。
「仕事がないんですよ」
 と井上が言う。そうか、仕事がないのか。で、店以外になにかやってることはないのかと質問したら、井上は驚くべきことを口にした。
「いま幕張で、サル、やってます」
 あのサルは、村島だったのか。
 世の中、なにがあるかしれたもんじゃない。
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3/3 一八六〇年、桜田門外の変。伊井直弼暗殺。(私の住む、「豪徳寺」の、その地名となった寺は、伊井家の菩提寺である)3/4 一九四四年、宝塚歌劇休演、さよなら公演にファン殺到。(へー。戦争中にねえ)3/5 一九三二年、団琢磨、血盟団員に暗殺される。(今週はどうやら、暗殺が重なるらしい)3/6 一九四四年、全国の新聞、夕刊を廃止。(宝塚が休演し、夕刊が廃止とくれば、もう日本はだめだろうと、感じないのはおかしいと思う)3/7 一九七二年、連合赤軍リンチ事件で最初の死体発見。(三島由紀夫の自決とこの事件が私にもたらしたものは大きい。「あ、思想で死ぬ人がいる」と、なにか大変なことを発見した気持ちになったのだった)3/8 一九三五年、「忠犬ハチ公」死ぬ。(しかし、ハチ公は思想で死んだのではないだろう)3/9 一八九四年、日本で最初の記念切手。(これを書くのに用いている資料の、この項目の書き出しがすごい。「まず誰でも、切手を収集してみようかな、と思ったことがあるはずだ」って、勝手なことをいうな。最近、テレビにも出るようになったジャーナリスト吉岡忍の文章)
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<編集後記>
 
先週、お休みしたら、激励のメールなどいただいた。ありがたい。気がついたらもう、三月である。PAPERSも、かれこれ半年。一年は継続しようという目標があったけれど、半年はあっという間だった。返事が出せなくて申し訳ないが、たくさんのメールをありがとう。
◎くだもの屋の店先はきれいだ。レイアウトに何か考えはあるのだろうか。無作為に並べてああなるとしたら、それはくだものの力か。それとも無作為の力なのか◎


Published: September 9, 1997 Updated: March 3, 1998
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