先日、青山円形劇場で、「別役実の世界」についての記者会見というものがあったのだが、そこで、今フェスティバルの第一弾『スパイ物語』で上演される短い映画が映写された。『スパイ物語』初演当時に作られたというから、今から27年前の作品だ。教師役の観世栄夫さんと、三人の子どもたちが出演している。それを見終わった直後、記者会見の席上、私は次のようなことを発言してしまったのだった。
「もし、僕があの子どもだったら、観世さんのこわい顔に泣いちゃったと思うんですね。あんなこわい顔することないじゃないか」
まったく、観世栄夫の顔はこわい。
ただごとではない。それを私は正直に発言したが、別役さんはそのことを、「硬直性への批判」といったものに受け取ったらしい。で、どうも気にしているようだと、今回のフェスティバルプロデューサー、能祖氏から聞いた。
「別役さん、あのあと、やけに気にしてたんですけどね、『そんなにこわいかなあ』とぽつりと言ってました」
気にされても困るのだが、こわいものはこわいとしか言いようがないじゃないか。なにしろ、私は子どもの頃から、観世さんが映画やテレビドラマなどに出てくると、「あ、この人が犯人だ」と考えたほどだ。たとえ、刑事ものとか、そういったあれでなくても犯人だと思った。
そうであるとしか考えられない顔。
よくよく考えてみれば、俳優としてすごいことである。観世栄夫、おそるべしだ。
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早朝、新聞配達の人が、独り言をぶつぶつ言いながら来るのは不気味だ。やめてほしいが、味のある青年なので、それでもいいかなと思う。
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あんまりすきまがないと息苦し
いので、隙間あけてみました。 |
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世田谷パブリックシアター
レクチャーのお知らせ。
11月から宮沢のレクチャーが
はじまることになった。
=創作の方法-
『冒険の手引き』
もちろん、演劇の話。考える冒険としての演劇論を読むという、それ自体、冒険のようなレクチャーになる予定。詳しくは、次号あたりで発表するつもり。 |
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池袋コミュニティ
カレッジ情報
今年も11月17日から
宮沢のワークショップが
池袋コミュニティカレッジで
開講される。
WorldTechniqueと
SummerSchoolの2講義。
応募締め切りは、10月30日。
問い合わせは、遊園地再生事業団ならびに池袋コミュニティカレッジまで。 |
提言
デジタルとアナログの
脱構築的な和解はどうだ
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遊園地再生事業団公演予定
11月5日-9日
青山円形劇場演劇フェスティバル
「別役実の世界」参加作品
作・別役実
演出・宮沢章夫
出演
きたろう/宮川賢/伊沢磨紀/戸田昌宏/池津祥子/原金太郎/村嶋リョウ/松竹生/佐伯新/朴本早紀子/ほか
この秋、演劇界の話題を独占する、別役作品連続上演。遊園地再生事業団と宮沢章夫が、きたろうをはじめとする豪華出演陣を得て、これまでにない別役世界を創出する。見なければぜったいにだめだ。
場所・青山円形劇場
問い合わせ・
遊園地再生事業団
(ウクレレ)
03-5454-0545
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